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2006年12月02日

竹ノ輪インタビュー #2 安岡 亜蘭

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安岡 亜蘭 YASUOKA Aran / 画家


1978年神奈川県生まれ。2003年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。

卒業制作で「サロン・ド・プランタン賞」を受賞。

【グループ展】

2003年

「東京藝術大学美術学部卒業制作展」(東京都美術館)

C-DEPOT「キモチノカタチ」展(アートガーデンかわさき)

「a-une park」(東京芸術劇場 展示室1・2)

2004年

EXHIBITION C-DEPOT 2004 color(横浜赤レンガ倉庫1号館)

「上海アートフェア」に出展(上海、Shanhai Mart)

2005年

「光化門国際アートフェスティバル」に出品(ソウル、世宗文化会館美術館本館)

EXHIBITION C-DEPOT 2005 face(スパイラルガーデン)

「ヨルカ・ヨ-ルカ」(月光荘画室5)

2006年

「C-DEPOT tableau」(ギャラリー金輪)

「クリ8TOKYO11」(ニューヨーク、NYCoo Gallery)

EXHIBITION C-DEPOT 2006 natural(横浜赤レンガ倉庫1号館)

【個展】

2004年

「-機動式鳥獣図録- 安岡 亜蘭展」(松屋銀座7階美術サロン)

「rainbow」(ギャラリー金輪)

2005年

「mechanimal」(ギャラリー金輪)

2006年

「安岡 亜蘭展 -kasane-」(四季彩舎)

「安岡 亜蘭展 -Forest-」(松屋銀座7階美術サロン)
Persons第2回目は、画家の安岡 亜蘭さんです。

第1回目の寺内さんに引き続き、安岡さんの作品を竹ノ輪で販売させていただくこととなりましたので、お忙しい中、インタビューをお願いしました。ク・ナウカの話や、歌舞伎の話や、ex-chamber museumの幕内さんの話などなど、寄り道が多いまま、あっという間に時間が経ってしまいました・・・。亜蘭さんとは初対面でしたが、終始にこやかでいらっしゃるので、最初は若干緊張していたものの(私がね)、すぐにリラックス。そして、とてもほんわかとした雰囲気をお持ちの方で、笑顔でお話を聞いてくださるので、質問しているつもりが、気が付くと亜蘭さんが聞き役になっているような有様で・・・。そう、まるで亜蘭さんがインタビュアーのような・・・。(苦笑) 亜蘭さんは、ひとつひとつの言葉を、ゆっくりと選びながら、優しいトーンとリズムでお話される方なのですが、そうやって発せられる言葉には、亜蘭さんの気持ちがはっきりと感じられ、作品を拝見したときと同様、あぁ~世界観をしっかりと持たれている方なのだなぁ~と感じながらのインタビューとなりました。

Interview


「演劇が大好き」

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――色々調べたのですが、安岡さんの肩書きが見当りませんでした。

私もそういう<肩書き>というのを、ちゃんとはっきりした方がいいのかなぁ~と思ってた時期があったのです。でも、デザイナーの田名網敬一さんのインタビューをさせて頂いた際に、「肩書きをどうしようか迷ってるんです。」と相談したところ、「そんなの全然気にしなくていいよ。僕なんて呼びたいように呼んでもらってるよ。」と云ってもらえて、あぁ~そういう人もいるんだなぁ~と。まぁ、普通に画家で。(笑)

――画家を目指した経緯を教えてください。

小さい頃から絵を描くのが好きで、小学生の頃は、将来は漫画家になれたらいいなぁ~とぼんやり考えてたんですけど。本格的に美術を学ぼうかなと思ったのは高校生の頃です。

その頃はデザイナーになりたかったので、デザイン科を目指して受験勉強を始めました。2年間浪人している間に、演劇とか日本画とか、他のものにも色々興味が出てきてしまって、入学した時には、もう殆どデザインに興味がなくなってました。(笑) もちろんデザインは好きでしたけど、もうデザイナーになりたいとは思ってなかったですね。

入学したばかりの頃は、<デザイナー>と<絵描き>と<イラストレーター>の区別が未だよく判っていなくて。以前から演劇を観るのが好きだったので、舞台装置とか演劇関連の広告とかやれることがあればやってみようかなと思ってました。演劇は高校生の頃からとっても好きで、多いときには月2回ほど観に行ってました。

最初は、演劇弁当猫ニャーという小劇団の宣伝美術をやって、その後、大学を卒業してからク・ナウカ(※1)の宣伝美術をやらせて頂きました。「ク・ナウカ好きなんです!」って自分のホームページに載せていたら、芸大デザイン科で助手をされている方の奥様がク・ナウカの役者さんだったんです。そして奥様が演出をされる公演があるということで、特別に宣伝美術を担当させて頂き、その時は、DMと会場で配られるような白黒のフライヤーをつくらせていただきました。

――それは、どんなデザインだったのですか?

ん~、なんかこう~、(身振り手振りを交えて)背骨がこう・・・。線描でこんな感じでぇ~。・・・言葉だとちょっと。(照笑)

――了解です。(笑) 大学生の頃はどのような絵を描かれていましたか?

今つくっているようなタブロー(※2)は描いてなかったんですけど、染料とフォトショップを使っていて、絵柄はほぼ今と同じような感じでした。
「小学生の頃は、オリジナルの漫画を描いていました」

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――急に話が戻りますが、小学生の頃はどんな漫画を描かれていたのですか?

いやぁ~、漫画は、ちゃんと完成させたことがなくって。(笑)

――「完成」ということは、オリジナルの漫画を!?

そうです。

――ちなみに、第1回目で登場していただいた寺内さんは、「子供の頃、キン肉マンのキャラクターを描いていた」と仰っていたので、てっきりそういうものかと。(笑)

あぁ~、私もキャラの落書きみたいなものは、しょっちゅう描いてました。(笑)

――ストーリーも絵もキャラも、全てご自身で?

そうですねぇ~。

――今、その漫画を見ることはできないですか?

ないです。すごい、つまらないんです。(笑)

――いやいや。(苦笑) それはどんな漫画だったんですか?

4コマ漫画・・・。(笑)

――うわぁ~、見たい!凄い見たい!今度は是非竹ノ輪で4コマを。ペンネームでいいので。(笑)

はい。(笑)

――で、何故遡って質問をさせていただいたかと云うと、「私はこの道でいく!」と決めたタイミングはどこだったのかを伺いたくて。

ん~、小学生の頃は、そういうことが仕事にはならないんだろうなと漠然と思っていて、やっぱり大学受験の時ですかね、お仕事にしたいなと思ったのは。

デザイナーの横尾忠則さんがすごい大好きで。中でも古い版画っぽいデザインが好きなんです。デザイン科に進もうかなと思ったのも横尾さんがキッカケですね。と云っても、その時はやぱりよく判ってなくて、「デザイナーなのにこんなに好き勝手につくれる人がいるんだぁ~」と思ってて。(笑) その時はまだデザイン科に進もうか、油絵に進もうかと、ふらついている時期で、「こういうお仕事ができるんならデザイン科いいかも!」って、デザイン科に決めました。(笑) (横尾さんは)才能が、それはもう、物凄い人だからできることだと思うんですけど。

大学3年生の頃には、C-DEPOTに入りました。C-DEPOTのリーダー、金丸さんが私の大学の先輩で、金丸さんのお知り合いが私と同級生だったこともあって声を掛けていただいて、第1回目から参加させていただいてます。大学を卒業した後は、アルバイトなどしながら、グループ展などに出展していました。ギャラリー金輪は、姉の会社が運営してるので、企画展とか貸し画廊が入っていない時に、隙間に入れてもらって展示しています。

――今は個展が多くなっているのですか?

そうですね。段々多くなっていますね。特に個展をやろうと決めてはいなんですけど、できる機会がある時には、個展をやっていきたいと思っています。
「銀座松屋での個展にあわせて作品集を発売」

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――2006年11月に作品集『Forest -ARAN YASUOKA Art Works-』を出版された経緯を教えてください。

2006年11月に銀座の松屋さんで個展をしたんですけど、それに合わせて出版しました。松屋さんでの個展は、今回2年振りの2回目だったのですが、作品を買ってくださる新しいお客様が増えたので、やってよかったです。

――ご自身の作品集をご覧になって如何ですか?

前回の松屋さんの個展でも、展示会場で販売する小さい冊子は作ったんですけど、本屋さんで売られる作品集は今回初めて作りました。ん~、そうですねぇ~、この前、渋谷のブックファーストに置いてあって、それを見たときはちょっと嬉しかったです。残念ながら平積みではなかったんですけど、「あっ!」って感じで、ちょっと恥ずかしいみたいな。(笑) あと今回は、ちゃんと作品を観て、ちゃんと紹介文を書いてくれそうな幕内さんに、締め切り2日前に頼んじゃいました。(笑)

――ここで幕内さんのお名前が出ましたので、「封筒の中のギャラリー」の話を。

「封筒の中のギャラリー」の話は、幕内さんからお話を伺った時には、すぐ「いいですよ」ってお答えして。今回のようにアクリルを使った作品は、以前に作っていたので。封筒の中っていうのも面白いなって思いました。普通にハガキとしては作ったことがあったんですが、ちゃんと作品として封筒の中に入れるっていうのは今まで無かったですね。「封筒の中のギャラリー」というのが、自分の脳みその中になかったので面白かったです。

――幕内さんと初めて会ったのは?

初めて幕内さんにお会いしたのは、画家のミズテツオ先生の展覧会で、私は普通に観に行ったんですけど、幕内さんの方から声を掛けていただいて。ミズテツオ先生と話していたら「C-DEPOTで観たことがあります。」って云ってもらって、すごい嬉しかったですね。なんか、観てくれている人がいるだけでも。それが「封筒の中のギャラリー」をつくる丁度1年前ぐらいでした。
「グロいんですけど、線が凄く繊細で、むしろ綺麗」

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――今後の活動予定など伺えますか?

えっと~、タブローを描き始めて、1年は経ってないですけど、結構慣れてきたところがあるので、タブローの展覧会をたくさんやりたい気持ちはありますね。タブローを描き始めてから表現の幅が出せるようになってきて、面白さに気付いたっていうか。それまでは、さほど材料とかに拘りとかなかったんです。自分のイメージが最終的に出れば、それでいいやと思っていたんですけど。絵の具が奥深くて、なんか追い掛けても追い掛けてもっていうところが面白いですねぇ。今は、アクリルガッシュで描いてますね。実験みたいな感じで、日本画の絵の具もちょっと使ってみたりはしているんですが、未だ心配なので発表はしてないです。

――そういえば、作品は浮世絵の影響を?

そうですねぇ~、線描なんかは、浮世絵の影響をすごい受けていて。中でも月岡芳年の浮世絵が好きです。なんかグロいんですけど、線が凄く繊細なんで、あんまり「気持ち悪い!」という感じがしなくて、むしろ綺麗な感じがします。

――いやぁ~、これからもいっぱい作品を観たいですね。すみません、勝手云いますが、いっぱいつくってください!(笑)

はい。がんばります!

――最後に、モニターの向こうのお客様にメッセージを。

えっ!なんだろ!?ん~、そうですねぇ~、なんかあんまり深く考えないで、色が綺麗とか、形が面白いとか、うん、直感で楽しんで欲しいですね。「封筒の中のギャラリー」だけじゃなくて、自分の作品全般に言えることなんですけど。「封筒の中のギャラリー」は、最初想像していたより、ピッ!と作っていただいているので、宜しくお願いします。

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2006年12月 於:ギャラリー金輪

・Chin (2006) ©2006 YASUOKA Aran

・蛙 (2002) ©2006 YASUOKA Aran

※1:ク・ナウカは、ソロ・パフォーマンスで高い評価を受けてきた宮城聰を中心として、美加理、阿部一徳、吉植荘一郎らによって1990年に結成されました。ロシア語で「科学へ」を意味するク・ナウカは、結成時から明確な方針を持って活動を進めています。いちばんの特徴は、「語る」俳優と「動く」俳優が分かれており、主な登場人物はすべて、二人一役で演じられる点です。座ったまま台詞を語る俳優と、人形のような無表情で動く俳優の、抑圧され純化されたエネルギーが舞台上で交錯する時に生まれる、日常を超えたダイナミズム──これこそク・ナウカの醍醐味です。(ク・ナウカ公式ホームページより抜粋)

2007年2月『奥州安達原』の公演後、宮城聰氏が静岡県舞台芸術センター(SPAC)の芸術総監督に就任。ク・ナウカの俳優陣はソロ活動期間に入る。

※2:タブロー(tableau:フランス語)とは、壁画ではなく、板絵やキャンバス画を指す。また、絵画に於いて完成作品を指す言葉でもある。訓練としてのデッサンとは対称を成し、完成を目的として制作されたもののことを言う。タブローとデッサンの関係は曖昧であり、タブローの中にも訓練的要素を含んだ作品があり、またデッサンの中にも完成作品として制作されたものや、完成作品としての価値を認められるものがある。(ウィキペディアより抜粋)

「封筒の中のギャラリー vol.2 安岡 亜蘭」は、竹ノ輪で販売しています。

「封筒の中のギャラリー vol.2 安岡 亜蘭」を見る

協力:ギャラリー金輪、幕内 政治(ex-chamber museum

写真撮影:朝弘 佳央理

取材・文:竹村 圭介

Keywords


安岡 亜蘭さんを知るキーワードをピックアップ。

keyword.01 「葛飾北斎」「月岡芳年」

ex-chamber museumの幕内さんが、展示会を紹介する芸力で安岡さんのインタビューをされていて、当時の安岡さんのコメントを抜粋させていただくと「いちばん最初に影響を受けたのは葛飾北斎ですね。やはりなんか圧倒されますよね。あとは浮世絵師だと月岡芳年っていう、ちょっと特殊で残酷な感じの作品も描く人なんですけど、線はものすごく繊細できれいで。描く時に線描に対して強い意識があるので、こういう線がシャープな絵には惹かれます。」とのこと。これらの作品から伝わって来るエネルギーは圧倒的で、じっと観ていると、波や登場人物がヌルっと動き出すような錯覚に陥ります。
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葛飾北斎

「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
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月岡芳年画

「奥州安達がはらひとつ家の図」
keyword.02 「横尾忠則」

横尾忠則(よこおただのり、男性、1936年6月27日 – )は、兵庫県西脇市生まれの美術家。多摩美術大学大学院客員教授。神戸新聞社にてグラフィックデザイナーとして活動後、独立。1980年7月にニューヨーク近代美術館にて開催されたピカソ展に衝撃を受け、その後、画家宣言。以来、美術家としてさまざまな作品制作に携わる。長女の横尾美美も美術家。向田邦子脚本によるテレビドラマ『寺内貫太郎一家』(1974年・TBS)では、倉田という謎の多い人物を演じたこともある。(ウィキペディアより抜粋) 竹ノ輪代表としては、「越後鶴亀」(上原酒造)ジャケの人っていうイメージが強いです。
keyword.03 「C-DEPOT」

「C-DEPOT」は絵画、立体、映像、メディアアートなど、様々なジャンルを専門分野とする同世代の若手芸術家によって構成されており、同世代であるが故に、共有する現代における問題意識を、それぞれの視点で表現しようと集ったグループです。定期的に開催される「EXHIBITION C-DEPOT」は、メンバーにとって貴重な作品発表の場であるとともに、既存の枠組を超えた芸術家同士の自由な交流の機会にもなっています。ただ単発的に展覧会を催し発表するだけでなく、こういった機会を継続的に設け、まったく異なるジャンルの作品を展示し並べる事によって、お互いを刺激しあい、切磋琢磨し、芸術家としてのさらなるステップアップを目指します。そして同時代に生きる人々に、新しい世代の芸術を体感してもらい、新鮮なおどろきと感動を提供するとともに、現代社会に潜む様々な要素に着目し向い合い、固定概念を取り払った新たな切り口で、芸術表現の在り方を提案していきたいと考えています。(C-DEPOT公式ホームページより一部抜粋)

C-DEPOT

Works


安岡 亜蘭さんが今までに制作された作品の一部をご紹介。

蜥蜴

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2002 インクジェットプリント、和紙 448×310 mm

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2002 インクジェットプリント、和紙 448×310 mm
goldfish-c

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2005 シルクスクリーン、インクジェットプリント、アクリル、和紙 Ф200 mm
goldfish-a

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2005 シルクスクリーン、インクジェットプリント、アクリル、和紙 Ф200 mm
dogs

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2006 アクリルガッシュ、木製パネル 220×730 mm
usagi

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2006 アクリルガッシュ、木製パネル P8

Chin

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2006 アクリルガッシュ、木製パネル 1300×470 mm
gekko

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2006 アクリルガッシュ、アクリル、木製パネル SM
kuu

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2006 アクリルガッシュ、アクリル、木製パネル F80
「封筒の中のギャラリー vol.2 安岡 亜蘭」

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2006 シルクスクリーン、インクジェットプリント、アクリル、紙 233×160 mm. ※edition:80